緑内障は、白内障と並んでよく聞かれる眼の病気です。

お年寄りに多いとされていますが、40代から発症の可能性があり最近は若者の発症者も増えています。

とはいえ、年齢をかさねるごとに患者の割合が増えていくのは事実で高齢化は大きな要因となります。

緑内障の症状である、視野が欠けていく、視界が狭くなる、といった症状は日常生活において白内障よりも危険ではないでしょうか。

この疾患は治療しても症状の改善が望めないことから早期発見が最も重要となります。

 

緑内障とは

 

一般的には40代から発症し、歳をかさねるごとに増えていく病気で40代では約2%の人が、70代では約13%の人が発症しています。

また発症は女性に多く見られます。

見える範囲が狭くなったり、視界が欠けたりといった日常生活上に支障を及ぼす重大な症状が7人に1人に現れ、また若者の発症者も増えていることを考えると
より多くの方が注意する必要のある病気でしょう。

 

緑内障の症状とは

 

緑内障の症状は、視野が欠ける(視野欠損)です。

この症状は、緑内障性視野欠損とよばれ初期の緑内障では、自覚症状がないのがほとんどです。

私たちが普段、目にしている景色は両眼で得られた画像情報を脳内で合成してつくられています。

小さな視野欠損、またそれが片眼であった場合、脳は、脳内で画像情報を合成する際に視野が欠けて足りない部分を自動修正してうめてしまいます。

脳内でうめられないほどまでに視野欠損が進行しますと自覚症状が表れてきます。

そして受診にいたり発見されるケースが多いです。

また、一部の人は突然一時的な目の痛み、目のかすみ、頭痛や吐き気のような症状がでることがあります。

これは急性緑内障発作といわれ、急激に眼の中に含まれる水分の圧力(眼圧)が上昇したことによるものです。

このような異変や自覚症状が表れても治療せずに、放置してしまうとさらに緑内障が進行し、欠損部が広がったり視界がどんどん狭くなり失明にいたるケースもあります。

 

緑内障の原因とは

 

眼の中を循環している水分(房水)の量が何かの原因でどんどん増えていくことにより、眼球が大きくなろうとします。

その圧力を眼圧とよびます。

房水は、毛様体という組織で作られたのち眼内を循環し、黒目と白目の境にある線維柱帯を通りシュレム管とよばれる管から排出されて最後は眼外の血管へ流れていきます。

この生産と排出のバランスが崩れると眼圧があがります。

そして眼球のふくらもうとする圧力が眼球の後ろ側にある視神経を押すことによって視野欠損がおこると考えられています。

視神経は、眼の後ろ側に広がっている網膜からの画像情報をまとめて、脳内に伝える重要な働きをする神経です。

視野欠損をひきおこすほどに強く神経が押された場合は治療しても回復することはありません。

よって早期発見が重要です。

 

緑内障の種類について

 

続発緑内障(ぞくはつりょくないしょう)

 

眼そのものが原因ではなく、他の要因からおこる緑内障でこの場合の眼圧があがる要因としては、眼病、ケガや手術の傷から糖尿病などの病気や薬の副作用などがあります。

 

原発緑内障(げんぱつりょくないしょう)

 

眼そのものに原因がある(原発性)の緑内障で原発緑内障には2種類のタイプがあります。

 

閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかくりょくないしょう)

 

閉塞隅角緑内障は房水の排出口であるシュレム管の手前がカーブ(隅角)しておりこの隅角がせまいために排出に難があるケースです。

また隅角が完全にふさがってしまうことがあり、急激に眼圧が上がる場合もあります。

これが急性緑内障発作で、失明にいたる可能性があり緊急の対応が必要です。

 

開放隅角緑内障(かいほうぐうかくりょくないしょう)

 

開放隅角緑内障は房水の排出口であるシュレム管もしくはその前の線維柱帯が何らかの原因で目詰まりをおこし流れにくくなると考えられています。

一般的に緑内障として多いのはこのタイプです。

病状の進行もゆるやかなもので、また眼圧が正常域の値(20mmHg以下)でも発生する正常眼圧緑内障もこの開放隅角緑内障に含まれます。

眼圧は個人差が大きく、一日内でも変動があるもので、この正常眼圧緑内障に関してはまだ詳しく解明されていません。

ですが、一般的な緑内障の治療で効果があることから考えても眼圧が関係していると思われます。

ごく少数ですが、生まれつきその他の緑内障もあります。

 

緑内障の検査とは

 

さまざまな検査をおこない、総合的に緑内障の状態を診断します。

 

眼圧検査で眼圧の測定

 

眼科での診察で、眼にプシュっと空気を当てる検査を経験されてる方も多いと思われます。

眼底検査では、視神経の状態を画像で判定します。

昔は眼底カメラで写真を撮っていましたが、今ではデジタル処理で細かく状態がわかるようになっています。

 

視野検査

 

視野計を用いて、一点を集中して見たときに見えている周囲の範囲を調べる検査です。

視野計の中を覗きこみ、中心にあるマークを見つめながらその周りにでてくる小さな光を認識できるかどうかを調べていきます

この検査は片眼ごとに行いますので、時間もかかりますが、視野の具合を判断する重要な検査です。

また、緑内障だけではなく、いろいろな目の疾患がこの検査でわかります。

 

隅角検査

 

隅角の状態を調べる検査では、まず点眼麻酔を目に注ぎ込み角膜を保護するためのコンタクトレンズ(隅角鏡)を眼につけます。

そして細隙灯顕微鏡を使い、状態を見ていきます。

この検査では房水の排出口の開閉や、瘢痕組織の確認ができます。

 

緑内障と診断された場合について

 

緑内障であると診断された場合、眼圧を下げることにより視野欠損がこれ以上進まないような治療がされます。

最初は、目薬(点眼薬)が処方されます。

効果の程度によっては、追加されたり、飲み薬(内服薬)も処方されることがあります。

これは房水が作られる量をおさえる薬と房水が眼から排出されることをうながす薬とがありまた、以上の治療で効果がみられない場合にはレーザー療法による外科的処置がされます。

レーザー療法は、レーザーで線維柱帯とよばれる組織に小さな穴をあけることで、房水の排出をうながす効果があります。

この処置は20分くらいで終わるもので、痛みもないものです。

レーザー療法でも効果が出ない場合には、手術をおこないます。

この手術は房水の排出路を作るもので2種類の方法があります。

 

緑内障の手術

 

線維柱帯切除術

 

黒目と白目(結膜)のさかいめに排出路を作ります。

最も効果が期待できる方法です。

ただし術後にはさまざまな制約があり、管理が必要になってきます。

その部分も含め2週間ほど入院になるでしょう。

また3年くらいから効果が落ちてきます。

 

線維柱帯切開術

 

房水の排出口がある線維柱帯を切って開きます(切開)。

これにより本来の排出機能を高める狙いがあります。

効果はやや弱いとされていますが場合によっては有効とされます。

術後には眼内出血をともない、一時的に視力も落ちますが回復することがほとんどです。

手術から5日ほどで退院になるでしょう。

また、線維柱帯切除術のような術後管理は不必要で、この観点からも安全であるといえます。

なお、白内障と緑内障とを同時に手術するケースもあります。

 

手術後のケアについて

 

感染の原因になるので、目をこすったり強く押すことは避けましょう.

そしてホコリなど目に刺激となるものは入れないようにしてください。

特に線維柱帯切除術をおこなった方は注意してください。

手術後でも点眼薬は処方され、また効果が不十分な場合も処方薬が出されます。

定期的な診察も不可欠です。

これらの管理はきちんとおこなう必要があります。

 

緑内障の予防は

 

緑内障がなぜ発症するのかは、現在まだ明確には分かっていません。

ですが原因の一つとして血行不良があげられており、高齢なほど発症確率があがることからも生活習慣のみだれが要因となるでしょう。

なお、最近は若年者の緑内障患者が増加傾向にあることからもコンピューターやスマートフォン画面の見過ぎといった眼の使いすぎによる疲労が原因の可能性も考えられます。

また、ステロイド剤や精神科で出される薬の一部には眼圧を上げる副作用をもつものがあり、緑内障患者にとっては注意が必要です。

緑内障患者の方に限りませんが、きちんとお薬手帳を管理し医療機関を受診時、また調剤薬局でくすりをもらうときには提出して指示をあおぐことを心がけるべきです。

血行不良の要因としては、たばこや肥満などの生活習慣に関するものがあると考えられます。

また肥満をひきおこす食生活の乱れは糖尿病の原因にもなります。

糖尿病は悪化した場合には視力に影響(糖尿病網膜症)を及ぼしこれも失明にいたる可能性のあるものです。

規則正しい生活習慣、食生活で健康的な生活を目指してください。

そして眼の使いすぎには注意し、眼の疲れを感じた場合にはしっかり眼を休めてあげることを心がけて下さい。

 

おわりに

 

緑内障は歳をかさねるごとに発症する可能性があがりまた治療しても進行を遅らせることはできても回復はしない病気です。

よって早期発見が大切です。

白内障のこともふまえて、ある程度の年齢になりましたら定期的な眼科での診察をすることをおすすめします