レビー小体型認知症という認知症は、あまり聞きなれない名前ではないでしょうか?

ですが認知症の一種で、最も認知症患者で多いとされるアルツハイマー型認知症に次いで多い認知症です。

脳の病気の状態が他とは違う特徴があります。

 

レビー小体型認知症とは

 

このレビー小体型認知症は日本で発見された病気で、アルツハイマー型認知症ではない、脳の変性が原因でおこる認知症の中の一つです(非アルツハイマー型変性認知症)。

 

アルツハイマー病と思われていた認知症患者の中に、手足のしびれやふるえなどから始まる運動障害(パーキンソン症候群)をともなう症状が多くの患者に見られ、そしてこのような症状の患者の脳には、アルツハイマー病の病理所見だけではなく、レビー小体が大脳皮質や脳幹部にびまん性に存在することがわかりました。

 

レビー小体は神経の伝達を邪魔する物質です。

このレビー小体型認知症によるパーキンソン症候群では、体の動きに関わる脳幹部にレビー少体が限局して出現するもので、認知機能に関わる大脳皮質にはめったに出現しないと思われていたものです。

そしてパーキンソン症候群の他に進行性の認知症症状をしめすこの病気は、レビー小体型認知症とよばれるようになりました。

この病気は、認知症全体の2割を占め、日本ではアルツハイマー型認知症、脳血管性認知症に次いで多いとされています。

男性にやや多く見られます。

 

 

レビー小体型認知症の症状と特徴は

 

 

主な症状は進行性の認知機能低下です。

他の認知症では普通、記憶障害から始まりますが、レビー小体型認知症の初期は、記憶することよりも、記憶を再生することの障害が目立ちます。

この時点ではアルツハイマー型認知症と比べると記憶障害は軽めです。

認知機能の障害としては、注意力の低下があります。

知的能力は保たれているのに正解率が低い、ようなケースです。

人格変化としては、自らの変化に不安をいだき、抑うつ的になりやすい傾向があります。

また、アルツハイマー型認知症はレビー小体型とは違い、病気の自覚がなく多幸的ですので、認知症の診断での参考になります。

日常生活では

 

・ぐったりする

・起きているのか判らない、

・反応がない

 

といった意識レベルの変動がみられます。

意識レベルの低下は認知機能の低下をともなうもので、急速に起こることがあり、数分から数時間、数週間続く場合もあります。

周囲からの刺激により、意識レベルがもどると認知機能も改善することが多いのですが、長続きせず再び低下状態になるようです。

このサイクルで悪化していきます。

 

初期では、この正常時と意識レベル低下時の落差が大きく、周囲がおかしいと思い、気づくきっかけになります。

幻視も発病当初からみられることが多く、レビー小体型認知症の特徴と言えます。

 

幻視の内容は具体的で、ありありとしたものが繰り返してあらわれます。

見える幻覚の典型的なものは人物や動物で、人物では一人の時も複数の時もあります。

動物では蛇や虫といった小動物が壁や床に大量発生して見えるといった具合です。

繰り返し現れるらしく、患者は具体的に確信をもって話します。

 

また別の症状では、手足のふるえ、しびれなどのパーキンソン症候群も併発している場合もありますが、認知症の症状が先にあらわれた場合、パーキンソン症状はほとんどみられないことが多いです。

レビー小体型認知症の前ぶれとしては、年単位で先行して、寝てる間に暴れる等の睡眠時行動障害があらわれる場合があります。

また、パーキンソン症候群のまえぶれなのか、よく転ぶことも特徴です。

 

 

レビー小体型認知症の診断は

 

 

脳内でのレビー小体の分布が判らないため、また脳の画像でも他との比較は難しく、現在では一般の医療機関では鑑別診断はできない状況です。

SPECTやPETといった脳の機能画像では、脳後頭葉の機能低下がみられ、アルツハイマー病ではこれはみられないことから鑑別診断の役に立ちます。

おそらくは症状を考慮して診断されるでしょう。

またパーキンソン症候群と病理的に連続性がありますので、パーキンソン症候群から1年以内の認知症発症であればレビー小体型認知症とされるようです。

 

 

レビー小体型認知症の治療は

 

 

レビー小体型認知症は、アルツハイマー病よりも神経伝達に関わるアセチルコリン系が低下しているので、アセチルコリン系を改善する薬が有効です。

認知機能だけではなく幻視にも効果があります。

同時にパーキンソン症候群に対しても薬が処方されます。

ただし病状の進行は他の認知症とくらべて早く、予後は不良なことが多いです。

 

 

レビー小体型認知症の方への対応は

 

 

運動障害や記憶障害といった自分の症状を自覚し、不安感を覚えることが多いようです。

不安にさせないように接してあげましょう。

知的能力や人格もやや保たれている傾向にありますので、高圧的や一方的な態度は相手の感情的に逆効果です。

 

パーキンソン症候群による運動障害をともなう事もあるでしょうが、行動をせかしたり怒ったりしてはいけません。

また歩行時の転倒やベッドからの転落の可能性もありますので気をつけてください。

特徴的な幻視に関しては、否定せずに、本人にはしっかり見えていることを理解してあげてください。

 

夜間のせん妄に対しては、日中はなるべく活動させ、夜は眠れるように誘導します。

病状が進行し介護が難しい状況になるようなら、専門機関に相談の上対応するべきです。

また、介護をするうえで認知症の知識や理解を深めるための、すばらしい記事がありますので、ご紹介させていただきます。

 

きらケア

きらッコノート

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介護をされている方の参考にしていただければと思います。

 

おわりに(レビー小体型認知症の予防は)

 

 

早めの診断と投薬があれば、進行を遅らせることが可能なので、周囲はおかしいと感じたら受診させてください。

パーキンソン病と連動していますので、手足のしびれ、ふるえ、などがあった場合や、転びやすくなった、歩行がおかしい、といった変化を感じたら受診するようにうながしてください。