パーキンソン病は広く聞かれる病名です。

手足のふるえ、体が動かなくなるといったイメージでしょうか。

それらはパーキンソン症候群(パーキンソニズム)というくくりで扱われており、さまざまな原因があります。

現代では医療の進歩により、運動症状、非運動症状のコントロールができるようになり、生命維持に関してもほぼ一般の人と変わらず寿命を全うできるようなっていますが、パーキンソン症そのものの完治というのはまだできず、研究が進められております。

ですが、パーキンソン病の進行を制御する療法も実用化に向かっており、治せる病気になる日もそう遠くないかもしれません。

ここでは認知症をともなうことも多い、パーキンソン病によるパーキンソン症候群の症状や原因、治療について解説していきます。

 

パーキンソン症候群とは

 

パーキンソン症候群とは、さまざまに分類されている認知症の中の一つで、中枢神経変性疾患による錐体外路症状および異常運動を発症する代表的なものです。

一般的には、手足のふるえ、手足のこわばり、など体がいうことをきかない、勝手に動く、といった状態です。

パーキンソン病による症状のみではなく、他のさまざまな要因でもこの症状がみられ、広い意味でパーキンソニズムと言われたりします。

 

パーキンソニズムは、パーキンソン病によるもの、それ以外の脳の変性によるもの、一酸化炭素中毒などの中毒性パーキンソニズム、抗精神病薬などの薬物性パーキンソニズム、頭部外傷後や動脈硬化性のものもあります。

パーキンソン病は運動障害が主な症状ですが、1割ほどでは認知症もみられるとされています。

男性にやや多く、中年以降に発症がはじまり、70歳を過ぎると少なくなります。

日本では10万人ほどの患者がいるとされています。

 

パーキンソン症候群の症状は

 

パーキンソン症候群は

 

・振戦

・筋固縮

・無動

・寡動

・自律神経症状

・精神症状

 

このようなものからなるとされています。

 

振戦

振戦とは、ふるえ、です。

筋肉に力が入る、抜ける、が意思とは関係なくリズミカルにおこる状態です。これは誰でも経験したことのある状態ですが、状況でさまざまに分類されており診断の基準になります。

場合によっては他の病気の可能性もあります。

パーキンソン病では安静時振戦がみられ、なにもしていない状態でもふるえています。

ふるえは毎秒4~7回で、ものを丸く丸めるような動きが特徴です。

 

筋固縮

筋固縮は、例えば本人は手足の力を抜いた状態から、他人がその手足を曲げようと力をくわえた場合に、固まって動かない、反動がある、段階的に動く(歯車現象)、といった状態です。

意識しなくても反射で筋肉が固くなってしまう現象です。

パーキンソン病には必ずあるとされている症状です。

進行すると、体のあちこちで筋肉が固くなった状態になります。

顔がこわばり表情がなくなる、まばたきの減少、背も曲がり伸びなくなります。

脚の動く範囲が小さくなり小きざみ歩行になり、また方向転換や止まることが難しくなり突進してしまうなどさまざまです。

 

無動・寡動

無動・寡動は、動こうとしたとき、そのスタートを切ることが難しくなります。

例えば、歩行を命令されても第一歩がふみだせない状態です。

これらの症状は、最初は片手、次に脚、そして両側といった経過をとります。

また一日の中でも変動サイクルをもちます。

 

自律神経症状

自律神経症状は

 

・異常に汗をかく

・顔の脂が増えてテカっている

・よだれを流すようになる

・便秘

 

このようなものがあります。

 

精神症状

精神症状としては、精神活動の遅鈍化、うつ状態、人格変化、が主なものです。

精神活動の遅鈍化とは、考える力の低下、考えるのに時間がかかるようになる、認知症の記憶障害のように本当に忘れているわけではない見かけ上の記憶障害、などです。

認知症にみられがちな記憶障害や見当識障害といった、わからない状態、とは違っています。

またパーキンソン病の症状が目立ってくる前は、うつ病と診断されることも少なくありません。

うつ状態は

 

・抑うつ気分

・動きたくない考えたくない

・頭が重い

・不眠

 

といったものです。

これらは運動障害が原因としてあるでしょうが、パーキンソン病もうつ病も、脳内のドーパミン代謝の低下が原因とされており、併発する理由の説明になります。

他にも意識が不安定なせん妄状態になる場合もあります。

また幻覚がおこることがあります。

これは意識がハッキリしている状態でもおこり、特徴的です。

幻視が主なもので、小動物や虫であることが多いです。

しかし、せん妄や幻覚は治療薬の副作用の可能性もあります。

人格障害は、内向的、神経質、几帳面といった性格の特徴が目立ってきたりします。

ひどくなると神性症からの身体的症状、こだわりが強くなったりの自己中心的傾向がみられます。

自分の意志通りに動かない体に対するストレスや、固まった背中や間接の痛みなど、パーキンソン病そのもの以外の原因も大きいとされています。


スポンサーリンク


パーキンソン病の原因

 

脳の中心部分、背骨と脳のつながる部分である延髄の上の部分に位置している中脳の退行変性が強くみられます。

この退行変性は、単純性変性、アルツハイマー型神経原線維変化、レビー小体の発生、の3型に分けられます。

これらの変性によって、神経伝達のはたらきをするドーパミン代謝に異常がおこります。

脳のこの部分は脊髄とつながっており、体の動きをコントロールする役割があり、そこに作用することでさまざまな運動障害が発生すると考えられています。

それらの変性の原因は不明ですが、最近は遺伝的要因もあるのではとも言われています。

 

パーキンソン症候群の治療とは

家の模型

パーキンソン病の治療には、薬物療法(抗パーキンソン病薬)と外科療法があります。

 

薬物療法

パーキンソン症候群の薬として、ドーパミンの素(前駆物質)とドーパミンを受けやすくする薬(受容体刺激薬)に2種類が処方されますが、ドーパミン前駆物質は効果が強く、比較的若い患者が大量なり長期に使用されると、後に効果時間が短くなったり違う運動障害(不随意運動、ジスネキア)が出やすくなることもあります。

ドーパミン受容体刺激薬は、効果はゆるやかですが副作用も少ないものです。

現在では、70歳以下の患者にはドーパミン受容体刺激薬を、70歳以上の患者にはドーパミン前駆物質で治療開始することが推奨されています。

他にも、脳代謝改善薬や抗コリン剤が投与されます。

うつ状態には抗うつ薬も投与されています。

 

外科療法

外科療法は、手術による脳深部刺激療法です。薬が効かなくった場合に選択され、症状を軽くすることができ、薬の量も減らすことが期待できます。

パーキンソン症候群による運動障害の改善、運動機能の維持にリハビリテーションが必要です。

手や脚の間接の可動域を広げる訓練、体を支えるための筋力強化、がおこなわれます。

実際の症状の改善ではなく、歩行能力の維持といった日常生活に必要な能力(ADL)の維持が重要です。

またパーキンソニズムになると、どうしても動かなくなってしまいますので代謝機能や全身筋力が低下します。

そのためにもリハビリテーションは必要です。

これらは患者の気分的にも効果があり、精神症状の改善にもつながります。

パーキンソン病は、慢性かつ進行性の運動障害であるために、日常生活での介護や配慮も大切です。認知症としてありがちなもの忘れといった記憶障害はやや弱めで、知的能力も保たれていることが多いでしょう。

あくまで本人の自主性や意思を大切にし、決断や行動に時間がかかってもせかしたり怒ったりせず、運動障害が本人に対する引け目にならないように接してあげましょう。

患者の精神状態は認知症症状の進行に大きく関わってきます。

 

おわりに(パーキンソン症の予防は)

 

早期発見につとめ進行を遅らせるようにしましょう。

効果があるとされているのは、日常的な軽い運動、ストレスフリーで健康的な生活でドーパミン代謝系を活性化させる、コーヒーなどのカフェインを定期的にとることも最近では研究結果としてよく出てきます.

ただし大量にとってはいけません。

これらは他の認知症や生活習慣病の予防にもつながるもので、考えてみてはどうでしょうか。