結核は昔流行った病気といったイメージを持たれてる方が多いと思いますが最近は若い人の集団感染がニュースで話題になったりしています。

またお年寄りの方の発症も増えてきている傾向もあり、結核について知っておくことが、なにより自分自身や家族を守る対策になるでのはないでしょうか。

この記事では結核の検査方法や、うつらないための対策などについて説明させていただくので、少しでもそうゆう方のサポートができればと思います。

 

結核とは

 

日本では明治時代に急増し、終戦まで非常に流行った疾患です。

当時、結核は国民病や亡国病とよばれ、年間約十万人が亡くなり若者であっても発病し死にいたる怖い病気でした。

また貧乏病ともよばれ、治療には本人の栄養状態や体力による自然な回復に頼るしかないもので、治すには生活環境による格差がありました。

空気のきれいなところで静養する、といった昔の映画に登場するイメージです。

戦後は、1944年に開発されたストレプトマイシンという結核菌を殺す薬による治療が始まり、日本において食生活が豊かになっていったことによる栄養状態の改善やBCGワクチン接種などの予防対策もできたことにより亡くなる方は激減しました。

このように細菌を殺す薬を抗生物質と呼びます。

抗生物質はペニシリンから始まりさまざまな種類が使われており、今の医療には欠かせない薬です。

現在の日本では結核で亡くなる患者数は三千人弱と少ないのですがその数は横ばいであり減る傾向ではありません。

結核の感染者はアジアやアフリカに特に多く、日本も例外ではないです。

これは気候条件が結核菌に適しているためといわれています。

最近はお年寄りの結核患者が増えています。

原因は結核は感染しても発病しないことが多く、ですが菌は体内で生きています。

そして高齢化による体力低下や他の病気の影響で免疫が下がったことで増え始め(再燃)発病することがあります。

例えば肺炎が悪化して結核菌がふたたび増殖し、併発して肺結核をおこすケースなど重症化すれば命にかかわるものです。

昔に結核が流行っていた影響で、お年寄りは結核菌に感染しているが発症はしていなかっただけで、高齢化による体力の低下で発症したのではとも考えられています。

 

結核についての説明

 

結核菌は数ある抗酸菌の中の一つで、抗酸菌による肺炎の一つが肺結核です。

結核菌以外の抗酸菌(非結核性抗酸菌)による疾患の肺炎は、肺結核と似ていますが危険なものではありません。

また気が付かない間に非結核性抗酸菌症になっていたが自然に治ってしまい肺に病気のあとだけ残っている、ということも多いです。

結核と非結核性抗酸菌症の割合では、やや非結核性抗酸菌症のほうが多いとされていて、これも増加傾向にあります。

 

レントゲン写真やCT検査の技術的進歩で早期の抗酸菌性肺炎の発見率が上がったことも理由でしょう。

抗酸菌は、人の細胞の中で増えていき、周りの細胞にうつっていきます。

周りの細胞が感染したために、感染元である細胞に酸素が行き渡らなくなると感染元である細胞は死にます(壊死)。

死んだ細胞は溶けて膿になり痰となって排出されます。

このサイクルで抗酸菌症は体に特徴的な穴(空洞化)を作ります。

このようにして核を作るので結核とよばれています。

 

抗酸菌が死滅することで感染が止まると、感染していた細胞は固まって石灰化します。

石灰化は、抗酸菌症や他の肺炎が治った後(治癒後)の特徴でもあります。

結核が発病する場所の八割は肺です。

これが肺結核であり、広く知られている病気です。

ですが他にも腎臓(腎結核)、背骨(脊椎カリエス)、消化管やリンパ節や脳におよぶものもあり結核の発病は全身に可能性があります。

結核菌は酸素が無いところでは増えることができない、が基本で肺結核が空気のよく通る肺の上部に多く発生するのはこのためで、診断する際に参考にされます。

とはいえ、空気の無い体内で結核が発病することも確認されておりその原因は今現在ではまだ明確になっていません。

 

肺結核の状態

 

上記でも説明させていただいた通り、結核とよばれる病気のほとんどは肺結核によるものです。

この先は発症率の多い肺結核として話しをすすめさせていただきます。

結核菌を吸い込んだとしても、かならず発病するわけではありません。

結核菌はほとんどの場合、体による異物排出作用や免疫作用がはたらき体内に残ることはありませんが、条件がそろうと肺の中で生き残ることがあります、

その際は免疫の作用によって、結核菌を免疫細胞が封じこめてしまいます。

この状態が「感染」で、菌を保有しているだけで発病していませんし体外に菌を出すこともありません。

また治療する必要もありません。

 

感染した人が肺結核を発病する確率は約一割といわれています。

しかし、栄養状態が悪い、体力が落ちている、免疫が弱い、など条件が合うと結核菌は体内で増えていきます。

そして身体的に症状が出てきます、これが「発病」です。

また、体格的に発病しやすい方もいます。

身長のわりに細くスラッとした方、体のわりに肺が上下に長いタイプの人です。

肺結核だけでなく肺気腫など他の肺病にもかかりやすく心当たりのある方は覚えておくといいでしょう。

 

肺結核に限らず、結核を発病している人の病状が進行し、体内で増えた菌を外に出している状態を「排菌」といいます。

例えば腎結核であれば尿中に出ます。排菌している肺結核患者がせきやくしゃみでしぶき(飛沫)をとばした場合、結核菌が空気中で飛び散り、それを他の人が吸い込むことにより感染します。

これを空気感染と呼び、その感染力の強さが恐れられている理由の一つです。

排菌の可能性のある結核患者は、日本では法律により、専用の結核病棟をもつ医療機関に隔離されるように決められています。

なお、この法律で、排菌のある結核患者と同じ部屋で過ごしていたなどのような一緒にいた人達には、保健所から定期的な結核の検査をするように求められる場合もあります。


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肺結核の症状について

 

肺結核で初期の場合は、かぜに似た症状と37℃前後の微熱が長く続きます。

加えて、だるい、食欲不振や体重減少のようなさまざまな全身症状をともなうこともあります。

このような風邪症状が2週間以上続いたら、たとえ結核ではなくても違う肺炎の可能性がありますので、かならず医療機関を受診するべきです。

そして肺結核が進行すると特徴的なひどいせきこみ(咳嗽・がいそう)があらわれます。

タン(痰)や血の混ざったタン(血痰)も出てきます。

 

肺結核の検査とは

 

風邪症状が長く続いてからの受診、または検診などで行われる胸部レントゲン写真の画像検査では、医師から「肺結核の疑いがあります。」と言われるでしょう。

これは、肺結核を含む抗酸菌による肺炎には、特徴的な写り方がありますので、おおよその診断になります。

ただし肺結核はさまざまな形で発症することがあり、ほかの肺炎の疑いでも結核菌の検査はすることがあります。

 

胸部レントゲン検査

胸部レントゲン検査で疑わしい場合は、CT装置のある病院であれば胸部CT検査になるでしょう。

画像検査ではレントゲン写真より確実で、病気の部分(病変)の状態や肺の中での位置、周辺への広がりなどがわかります。

 

血液検査と痰の検査

同時に、血液検査と痰の検査が行われます。

今まで行われることが多かったツベルクリン検査はBCG接種が普及している日本では陽性反応がでてしまうことが多く精度の問題から最近では行われません。

 

血液検査

血液検査としては、抗原特異的インターフェロン-γ遊離検査、T-スポット検査、があります。

これらの検査にはさまざまな制約や条件、手順があり難しいものでかつやや高額のため行われないこともあります。

 

痰の検査

痰の検査は、喀痰抗酸菌検査といいます。

培養検査、喀痰塗抹検査、PCR(核酸増幅法)検査の三種類が同時におこなわれます

一番早く1~2日で結果が出るのが喀痰塗抹検査で痰に染色液を加え、抗酸菌を染色し顕微鏡で見る検査です。

この検査では、抗酸菌の有無と量を調べます。

ただし結核菌と他の抗酸菌との区別ができないことが難点です。

 

次に結果が出るのがPCR検査で、4~5日かかります。

結核菌のDNAだけを増幅させる検査です。

PCRで結核菌が出ればその時点で結核と判断され治療が開始されます。

ただし死んでいる結核菌でも陽性反応がでることもあり、このような間違った陽性反応を疑陽性とよびます。

最後に結果が出るのが培養検査です。

これは痰の中の抗酸菌を育てて、菌の種類を直接判断するものです。

4週後と8週後の2回おこない、これで確定診断がなされます。

菌の種類が判ることで、どの抗生物質が効くのかがきちんと判断できます。

痰が出ない場合、痰が出ないほど小さい病変の場合には肺の内視鏡(気管支鏡)を入れて、肺炎の部分から直接とることもあります。

 

肺結核の治療

 

肺結核の治療は、4種類の抗生物質を組み合わせて行われます。

昔はストレプトマイシン単独で行われていました。

しかし結核の治療は長期にわたって抗生物質を投与するため死なない菌(耐性菌)が出てきます。

最近はそのように抗生物質の効かない結核菌も報告され
増えている傾向にあります。

それを防ぐためにバランスを取りながら薬が処方されます。

患者の状態、特に排菌の有無で扱いが変わり排菌がある患者であれば、空気感染を防ぐように作られた
専用の病室をもつ指定病院での隔離入院をします。

2,3カ月後には菌の活動が停止します。

そして排菌がなくなれば、通院での自宅療養も可能でしょう。

一度肺結核を発症した場合は、半年以上の投薬治療がおこなわれます。

 

結核にならない(うつらない)ために

 

BCG接種はワクチンであり、結核が発病したときに重症化させないために行われます。

これは免疫の弱い小児は急激に悪化する場合があり、それを防ぐためです。

日本では今は全ての乳幼児に接種することになっており、大人に対しては、効果の薄いものといわれています。

結核菌は空気感染しますので、それを防ぐことが予防です。

結核菌は小さいためにマスクもN95とよばれる特殊なものが必要であり、それだけでは防げないので部屋を別にしたりもします。

よって他の患者に感染させてしまう可能性がある医療現場では対策は重視されていますが一般では難しいと考えられます。。

現実的に考えれば、年に一度二度の健康診断を欠かさずに、胸部レントゲン検査をすることが早期発見につながります。

結核の発病は免疫力の低下によるものです。

免疫力を低下させないような健康的な生活習慣を心がけましょう。

 

おわりに

 

結核は昔の病気ではなく、現在でも十分にありうる病気であることがわかっていただけたのではないでしょうか。

結核は特に早期発見が重要です。

感染する力が強く、大勢が感染する可能性があるからです。

また、お年寄りの体力低下や免疫力低下で、体内の結核菌が増え始め結核を発病するケースも多いです。

風邪が長く続き、おかしいな、と思ったら医療機関を受診する。

健康診断を欠かさない、健康的な生活を心がける。

これは結核のみならず、さまざまな病気の対策になるので心がけることが大切です。